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外資系で働くということ

Yutakablog1

「ラクダでサハラ砂漠に行くツアー」を含む一週間の旅行を無事終えてモロッコより帰国しました。

モロッコは予想以上によかったので久々に旅行記的なものを書こうかと思っているのですが、感覚が薄れないうちに「外資系で働くこと」について感じたことを書きたいと思います。なおここでいう外資系とは外資系企業の日本オフィスではなく、外資系企業の日本国外(本国)のオフィスを指します。

今月頭まで忙しくしていた案件に入れられたのはひょんなきっかけからでした。所属するチームの新人が休暇を取ることになり、「それ程大した仕事ではないと思うので誰かカバーしてくれる人をアサインして欲しい」と彼がパートナーに頼んだのがきっかけで、(推測ですが)「大した仕事ではないなら日本人でもできるだろう」ということで回ってきたのが事の始まりです(もっともこの新人が故の見通しの甘さに後々びっくりすることになるのですが)。

「大した仕事ではない」という触れ込みで回ってきた仕事だったものの、せっかく回ってきた仕事だったので、ここは腕の見せ所と思い頑張りました。新人の見通しが甘かったせいもあって、幸か不幸か仕事も「それ程大した仕事ではない」レベルには到底収まらず、最終的には3週間ほど「毎日朝9時からクライアント他当事者を交えた電話会議→電話会議で挙がった宿題を一日かけて処理」というプロセスを繰り返し、難しいタスクも乗り越え、(外人との電話会議を一人でこなすこと自体はそれ程目新しいタスクではないものの)北欧やドイツの弁護士との電話会議も一人でこなし(自分より英語が上手くないと思われる連中との電話会議は正直精神的な負担がかなり軽くなります)、最終的には案件をリードしていたシニアアソシエイトからいい評価をもらい、「次の案件にも是非入って欲しい」と言ってもらえるまでに至りました。

まず日本人が外資系の日本国外のオフィスに所属した場合、日本で働く場合と比べて決定的に違うのは、「そもそも戦力としてみなされていない」という事実です(現地採用であれば話はまた違うのかもしれませんが)。

私は平均的な日本人に比べると英語はできるものの、それでもやはり出向者を受け入れる側からすれば英語がビジネスレベルでどれ程使えるか分からない日本人を案件にフルに入れるのは抵抗があると思います(私が逆の立場であってもそう思います)。なので、私のケースのようにひょんなことから案件が降ってこない限り、出向中は誰もが大体暇な時間を過ごします。「ロンドンでは仕事は降ってくるものではなく、自らアピールをして取ってくるものだ」とロンドンオフィスにいるイギリス資格の日本人の方は言いますが、組織が大きいこともあってこれは日本人のみならず外人でも当てはまることなのかもしれません。

そして、戦力としてみなされていないところに仕事が降ってきた場合、次に大事なのは「120%のパフォーマンスを出して一発で本国の人以上の成果を出す」ことだと思います。

仮に英語に支障がなく、外人と同じレベルでそこそこ仕事ができたとしても、使う側としては数ヶ月経てばいなくなってしまう人間に仕事を振るよりも、その後もずっとチームに所属し続ける外人に仕事を振って彼/彼女を育てた方が長期的に見ればいいわけです。なので、外人と同じレベルの仕事をこなすだけでなく、彼らを遥かに凌駕するパフォーマンスを見せて、「おぉこいつはできる、これならうちのチームのイギリス人に担当させるよりもこいつにやってもらった方がいい」と思ってもらう必要があります。

基本的に2度目のチャンスはない(使えなかったら「やっぱりあいつは使えなかった」で終わる)ので、一発で仕留めなければいけないというのが私の感覚です。幸い今回の案件には(他に仕事がない関係で)自分が事務所にいる時間をほぼ全てつぎ込める状況だったため非常に丁寧な仕事をすることができ、指示を受ける前に先回りで色々な作業をハイクオリティにこなすことができたのが結果的にはよかったのだと思います。

私が修習生のときに現在の事務所を選んだ理由は、例えて言うならば「どうせデビューするならJリーグでなくプレミアリーグだろ」という思いからでした。そのような思いを抱いて就職先を決めてから早7年近く経ちましたが、ロンドンに出向し、外人と変わらぬパフォーマンスを示すことができて初めて「自分はプレミアリーグでもやっていける」という自信がついたと思います(そしてプレミアリーグと言ってもしょぼい選手もいることや、イギリス人であっても英語が完璧な訳ではないことに気づけたのも大きかったと感じています)。

少ないチャンスを活かして本国のプレーヤーより数段レベルの高いパフォーマンスを見せることでやっと戦力として認められていくというプロセスは、海外でプレーするプロ野球選手やプロサッカー選手の状況と多少の違いはあれど似ているのではないでしょうか。そういった意味では私の7年前の思いはイメージとしてもそれ程ずれてなかったのかな、と今になって改めて思います。

正直4月以降も旅行続き(4月はベルギー、東欧、NY行きの予定あり)なので再び本格的に案件に入れられてしまうとそれはそれで困ったことにはなるのですが、幸い大不況の影響もあって次の案件の進捗が遅いようなので、今後はぼちぼち営業活動でもしながら適宜仕事をしていこうかなと思います。残された「ロングバケーション」も残り3ヶ月強です。

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コメント

いやぁ、写真の腕もずいぶんあげられたようで。いーですね。

おれの方は、対論理もへったくれもない輩、対日本語をしゃべっているようだが日本語が通じない輩といった、ルールなどないところでの戦い職人になっていってます。

投稿: かえる | 2009年3月28日 (土) 01時11分

>かえるさん

ありがとうございます。まぁ腕が上がったというよりカメラの性能が上がったというのが正しいのかもしれません(笑)

仕事は相変わらず大変そうですが、私の目から見れば自分の名前を冠した事務所を運営しているだけですげーという感じです。帰国したらまた負のオーラ全開トーク聞かせてください。

投稿: yutakataka | 2009年3月28日 (土) 08時44分

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