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ヒラリー敗戦の弁

遂にヒラリーが大統領選からの撤退を表明しました。

youtubeにそのプレゼンがアップされています(youtubeの制限は10分くらいのはずですが、これは30分にも及びます。選挙関連の動画は特例でも認められているのでしょうか)。

こういうのを見て改めて思うのは、「外人はやっぱプレゼンがうまい」ということ。

私も学生時代はコンテストで起業家を前にビジネスモデルのプレゼンなどをしていたのですが、自分で考えていることをストレートに言葉で伝えることって難しいんですよね。

コンテスト中に当時のボストンコンサルティングの№2の方が「プレゼンのコツ」を講義してくださったのですが、もう10年近くも前の話になるにもかかわらず未だに覚えているのが

「プレゼンのアウトプット=『頭の中で考えていること』×『それを伝える能力』」

というフレーズ。

いくら頭の中で凄いことを考えていても、それを言葉を通じて他人に伝えることが出来なければ、頭の中の凄いアイデアは全く意味がないという趣旨のお話しでした。

そういう意味では、外人はこの『伝える能力』が凄く高い(それは学生と議論してもそうだし、事務所で外人と仕事をしていても感じます)。

恐らくそれは昔から自己主張をすることの重要性を叩き込まれ、鍛えられているからだと個人的には思います。

私が小学生時代に通っていたヨーロッパの小学校では、毎週一回"Show and tell"という時間があり、クラスの生徒が持ち回りで自分のお気に入りのおもちゃを持ち寄り、「自分のお気に入りのオモチャがいかに素晴らしいものか」を語らされていました(私の持っていったオモチャは、私の語りがよほどよかったのかそれとも元々オモチャ自体が魅力的だったのかは分かりませんが、クラスメイトの外人にいたく気に入られてしまい、Show and tellの後に酷使された結果壊されてしまったという苦い思い出があります)。

昔からそういうトレーニングを積むと、人前で臆することなく堂々と語れるようになる可能性が(少なくもそういうトレーニングを全くしていない集団に比べると)高いと思います。

今もヒラリーの演説を聞きながらブログを書いているのですが、これだけ長い演説をこれだけのインパクトを持って語れる能力は本当に凄いなぁと思います(選挙の序盤の候補者ガチンコ討論会なども凄いインパクトでした)。敗戦の弁のはずなのですが、余りにも堂々としているためむしろ好感を覚えます。次のチャンスがあるかもしれないので、ここでみっともない姿をさらす訳にはいかないんでしょうね。

選挙で敗れた日本の国会議員が、意気消沈した雰囲気が漂う事務所の中で、片目しか入っていないだるまの横で泣きながら「皆様のご期待の沿うことができず申し訳ございません」と頭を下げている姿とは雲泥の差があります。

どんな仕事でもそうですが、弁護士の場合は特に、自分の知らないことを聞かれたときにどれだけのことがしゃべれるかが重要になってきます。

「これってどうなんですか?」と不意打ちで準備していないことを聞かれたときに、もっともらしい回答を自信に満ちた感じで答えることがクライアントの信頼を勝ち取ることに繋がります。これはプレゼン能力に通じる部分があると個人的には思います。

デキる外人の上司(日本人でもそうですが)とかを見てると、これが上手い。彼らは日本法のことを日本の弁護士ほど正確には知らない(したがって「日本法ではこうなっている」ということは基本的には絶対に言わない)のですが、「今までの経験やグローバルなプラクティスの慣例からするとかくかくしかじか・・・」みたいな感じで、クライアントが「ふーんなるほどね」と半分狐につままれたようになりながらも納得するようなことを並べます(勿論経験に裏打ちされた部分も多分にはあるのですが)。

ヒラリーの堂々とした語りを見て、「外人相手にあれくらい堂々と語れるようにならんといかんなぁ」と思ったのでした。ロンドン行ったら外人相手にいっちょプレゼンかましますかね。

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コメント

その通りだと思います。毎秒、毎日、このプッシュプッシュが米国の強さ、そして愚かさなんでしょうね。

投稿: sunairi | 2008年6月 8日 (日) 14時42分

sunairiさん>
お返事遅くなりました。「愚かさ」という言葉にはさすがアメリカ生活の長さを感じますね。
ちなみにこのブログ、たまに「Sunairi NYU」でググって来る人がいます。有名人ですね~。

投稿: yutakataka | 2008年6月12日 (木) 13時20分

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