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Yahoo!遂に追い詰められたか

長らく大きな進展のなかったYahoo!の件ですが、今週遂に本格的に動き出しましたね。

Microsoft Sends Letter to Yahoo! Board of Directors
http://www.microsoft.com/presspass/press/2008/apr08/04-05LetterPR.mspx

Yahoo!'s Board of Directors Responds to Latest Microsoft Letter
http://yhoo.client.shareholder.com/press/releasedetail.cfm?ReleaseID=303369

Microsoftが3週間以内に合意に至らない場合にはProxy Fightも辞さないと強い姿勢に出たのに対し、Yahoo!側はMicrosoftの提案が株主価値を最大化するのであればMicrosoftの提案に反対はしないとの姿勢を取っています。個人的な感想としては、八方塞がりのYahoo!の態度が従前に比べてやや軟化したような印象を受けます。Yahoo!はMicrosoftが1月にディールを公表した後これだけ長い間に渡って色々な代替策に奔走していたもののこれといった案が出ていない(News CorporationやTime Warner参加のAOLと交渉中とのことですが、実現可能性については未知数)ことから、かなり苦しい立場に立たされていると思います。

アメリカのメディアの動向を見ても、この状況だとYahoo!は最終的にMicrosoftに買収されるだろうとの見方が大勢を占めているようです(もっとも価格の引き上げが必要だとの見方が強いようですが)。価格に関してはMicrosoftはこれ以上の引き上げはしないことを今回のプレスでも暗示しているように読めます。

このまま買収が成立するようだと、Microsoftの一発目のベアハグレターがうまい具合にはまったということになるのでしょう。年が明けてからはアメリカでは景気後退の懸念から後ろ向きなニュースばかりが新聞紙上を賑わせているので、Yahoo!のホワイトナイトになりうる連中もそれどころではない状況にあるというのも大きいかもしれません。

余り深く考えずにつらつらと書いてみましたが、3週間以内には次の大きな動きがあるものと思います。当事者でなく外から眺めている立場からはいよいよ面白くなってきました・・

と書いている間にNew York Timesで新たな記事がアップされていました。

Microsoft Said to Be Talking With News Corporation About Joint Yahoo Bid
http://www.nytimes.com/2008/04/10/technology/10google.html?_r=1&hp&oref=slogin

MicrosoftがNewsと組むことが出来れば買収価格を引き上げられる可能性も高まり、更に現在Newsと交渉中であると報じられているYahoo!の選択肢をますます狭めるとのことで、Yahoo!側にとってはますます追い詰められた状況になってますね。

Newsと交渉中であることをプレスすることでNewsがYahoo!側に付く動きをけん制する効果もあると思います。本件ではMicrosoftが常に先手先手を打っている感じですね。

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4月10日 追記

Yahoo!側も新たな動きを見せています。

News Corp., AOL Pursue Yahoo Deals
http://online.wsj.com/article/SB120776803032602423.html?mod=hpp_us_whats_news

ざっくりまとめると、AOLとYahoo!を統合した上で、Time Warnerが統合後の会社の20%を保有し、Yahoo!はこれにより得るキャッシュで自社株を1株30‐40ドルの間で買い戻すというプランのようです。

AOLはTime Warnerにとってお荷物部門なので(AOLとTime Warnerの合併は、こちらの授業では史上最悪のM&Aディールと言われています)、これを見る限りでは、Time WarnerがYahoo!が苦しんでいるのをいいことに、コレ幸いとこれを契機にAOLを切り離してしまおうと画策しているようにも見えます。上記WSJの記事によればAOLを100億ドルと評価しているようですが、果たしてそれだけの価値があるんでしょうか(ダイアルアップ事業以外にAOLが具体的にどんな事業を営んでいるかイマイチ知らないので何ともいえないのですが。ちなみにダイアルアップ事業は今回の統合の対象外だそうです)。買収のターゲットになった企業がこのように防衛的買収に出るときには得てして買収対象のバリュエーションが高めに設定されがちなことから、これが果たしてYahoo!株主に利する統合なのかは慎重に見極める必要があると思われます。

記事によればYahoo!がこの手に打って出るにはYahoo!株主の決議が必要なところ、これが得られるかは不透明だそうです。そりゃYahoo!株主にしてみれば、お荷物部門を押し付けられる(そしてMicrosoftが提示しているプレミアムと同額のプレミアムこの統合により得られる(これすら不透明)まで待たされる)よりも、今すぐプレミアムを手にできるMicrosoftのディールの対価を受け取った方がいいと思われるので、ちょっと考えただけでも株主の賛同が得られなそうな感じではないですが。

精緻な分析をしようと思うともっと深く考えないといけないのですが、今日から3日ほど車でスモーキーマウンテン国立公園までドライブ旅行に行ってくるので、思いついたことを書き連ねるところまでにします。

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