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Diversity

ロースクールはどこもDiversityを重視しており、LLM生は世界各国から来ているところが多いかと思いますが、自分の国のことを誤った視点で説明されると気分はよくないですよね。

先日受講していたYermackの授業ではProxy Votingについて議論していたのですが、その中で「日本は(先進国であるにも関わらず)Proxyというコンセプトがなく、株主が議決権を行使するためには株主総会に出席しなければならない。そして上場会社の株主総会はほとんど同じ日に開催される(何だか遅れてるよね~というニュアンス)」という説明がなされました。

さすがにこれには黙っていられなかったので、

「日本にもProxyの制度はあるし、Proxy fightだってある。上場会社の株主総会が特定の日に集中しているのは、総会に出席して嫌がらせをする総会屋がかつて多く存在したため、総会屋対策のためにそうしているに過ぎない」

と説明したら、Yermackはたいそう驚いていました。

Antitrustの授業では、「スイスは独禁法の整備が遅れているから、カルテルなんてやり放題だー。みんな、カルテルしたいならスイスに行こう!」と教授が発言したところ、「何だよそれ!」というニュアンスで両手を広げている学生がいました。恐らく彼はスイス人なんでしょう。

本日のYermackの授業はコントロールプレミアムについてでしたが、ここでは「まぁみんな色々と思う部分はあるかもしれないが、Common lawの国々の方が会社法が整備されており、判例も豊富なので、コントロールプレミアムが小さい。対して会社法が整備されておらず、司法制度も未熟な国々はコントロールを手に入れれば「やりたい放題」になるため、コントロールプレミアムが大きい」などという説明がされました。

諸外国の制度を熟知した上でこういった説明をしているのであればよいですが、Yermackのように誤ったことを言っていることがあるので、聞いてる身としては危うさを覚えますね。

ちなみに世界各国で株式がブロックで譲渡される場合に支払われるコントロールプレミアムの平均値が説明されていた際に、日本だけ数値がマイナスだったため、「あれはなんでだ?」という学生の質問に対してYermackが満足に答えられていなかったため、「日本ではTOBルールとの関係で株式をブロックで譲渡するのが難しいことがあるので、市場価格より低い価格でTOBをローンチし、事実上ブロックの買い手しか応募しない状況にしてブロックを譲渡することがあるためにマイナスの数値になってるんだと思うよ」と説明したら、「市場価格より低い価格でTOBがローンチされるなんてシンジラレナーイ」といった感じで皆驚いていました。

ところ変われば法律も変わり、ある人達にとっては信じられないようなことが他の制度の下では起きるんですね。きっと日本人である私にとって信じられないようなことも世界のあちこちでは起きているんだろうなぁ。

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コメント

ぜひとも正しい日本を伝えてください。

にしても、文化面ならともかく、このグローバル化している時代に日本の企業や市場が大きく間違って理解されている、しかも専門家に、というのは、日本人が思っているほど、日本という国は彼らにとって重要なのではないんだろうな、と思いました。

投稿: kawabata | 2008年3月 7日 (金) 23時50分

>kawabataさん

私もびっくりしましたよ。教鞭を取っているのだから嘘を教えちゃいけませんよね。

ロースクール生も中国人が爆発的に増えてきているように、アメリカは今や日本より中国に目がいっているのでしょう。日本で弁護士の数が爆発的に増加していることと相まって、日本人からこれからの時代ロースクールに入りづらくなるのではないかとの懸念もあります。

投稿: yutakataka | 2008年3月 8日 (土) 01時49分

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