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Microsoft v. Google

Yahoo

先週金曜にMicrosoftがYahoo!に対して総額44.6億ドルのunsolicited offerを提案し、新聞やネットを賑わせているのは周知の通りです。

潜在的な敵対的買収の案件として大規模であることもさることながら、敵対的買収がタブーとされていたネット業界で、巨人Microsoftがそのタブーを破った点が2月2日付のWSJで大きくフォーカスされていました。
WSJでは、ネット業界で敵対的買収がタブーとされていた理由について、買収によるコスト削減効果よりも、ネット企業は自らの事業の成長に主眼を置くべきであるとの考えが業界を支配していた点にあると説明しています。
もっとも、マイクロソフトが2004年に総額320億ドルの巨額の特別配当を実施している(こちらを参照)ことからも分かるように、ハイテク企業も市場の成熟により新たな成長機会の模索に苦戦するようになり(したがって配当原資を有効活用する投資先がなく、株主に還元せざるを得ない。日本では成長余力の乏しくなったIT関連企業が投資事業部門を立ち上げて投資事業で食いつないでいたりするようですが、これも自らのビジネスモデルの限界(若しくは企業努力の限界)を示しています。)、市場がここまで成熟するとハイテク企業と言ってももはやその他の業界と変わらない戦略(つまりM&Aによるコスト削減効果)を取らざるを得ないステージにきたと言えるのではないでしょうか。

提案を受けたYahoo!経営陣は取締役のfiduciary dutyの観点からこの提案を真摯に検討しなければならないわけですが、Yahoo!がGoogleとの提携を検討しているとのニュースが既に流れており、それに呼応するかのようにGoogleのChief Legal OfficerがYahoo!の買収提案は独禁法に抵触する可能性があると表明しています(日本でも、業界最大手の王子製紙が北越製紙に対して敵対的買収を仕掛けた際に、業界第三位の大王製紙が独禁法抵触の可能性を指摘したのは記憶に新しいところです)。

WSJの電子版を見ると、GoogleがYahoo!を全面支援すると表明しているようですが(ソースはこちら)、Googleのネットの検索マーケットにおけるシェアの大きさを考えると、同マーケットにおいてGoogleがYahoo!を直接買収するのは(MicrosoftがYahoo!を買収するより遥かに)独禁法のハードルが高そうなため、直接買収の可能性は低いとのこと。
WSJは、Google以外にこのディールに参加してくる可能性のある企業としてAT&T、(WSJの出版元であるDow Jones & Co.を所有する)News Corp、Time Warnerの名前を挙げています(いずれの企業も現段階で参戦する気配はないようです)。

いずれにしても今後の世界のネット業界の動向に大きく影響を与えるこのディールの行方からしばらく目が離せなくなりました。

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